イジワルな彼と夢みたいな恋を?

「……本当に大田に会いたくてさ」


振り向いた顔が照れくさそうだった。
きゅんと胸が狭まり、思わず見つめてしまった。


「坂上から中学の同窓会があると聞かされて懐かしくなった。転校して以来、じーさんに反抗してばかりいた自分は、あの頃の大田と似てたから」


「私と!?そんなに反抗的だった!?」


背伸びをするようにして訴えると、彼は少し笑い、「難攻不落の城みたいに」と呟く。


私が城ならあんたは戦国大名か!?

そう反論したかったけど黙った。
一ノ瀬圭太はベルコニーへ進み、ドアを開けて外に出た。


風は暖かくて陽射しは暑いくらいだった。
玄関の方からは、まだ賑やかな声がしてる。


「大学の入学式で坂上と出会った時、大田のことを少し聞いた。俺が転校した後、随分苦労してたみたいだ…って」

「えっ…」

「中三の頃、一緒に学級委員したけど怖い女だったと言ってたな」

「ええっ!?」


坂上君、それはあんまりなんじゃないの!?


「相変わらずだなと思って笑った」


どういう意味よ。それは。


「嬉しかった」

「は?」

「俺の知ってる大田のままでいると聞いて和んだ。それで同窓会の話を聞いた時、是非参加してみたいと思ったんだ」


「…物好きね」

「悪いか」

「いーえ、別に」


バルコニーのフェンスに凭れる。