イジワルな彼と夢みたいな恋を?

「じーさんの氏名は『沢木 茂(さわき しげる)』。覚えとけよ」


ええ、ええ!
もう絶対に忘れませんともっ!!


「それで二学期から無理矢理向こうの学校に行くことになった。有難いことに、大学までストレートでいける所だった」


それがK大。
付属中学に編入させられた…てこと。


「お父さん達も一緒に引っ越したの?」

「子供だけ…って訳にいかないだろ。幸いなことに、親父は何処ででも仕事が出来たからさ」

「仕事って何だったの?」

「設計士。自分で事務所を構えてたから引っ越しは割と簡単だった」

「…ふぅん…」

(自分と同じか………ん!?)



それを聞いて疑問が湧いた。
確か一ノ瀬圭太と同じ大学に通ってた坂上君は、商学部に進まなかった?



「……ねぇ、商学部で建築は学べる?」


同じ学部だったと同窓会の夜に自慢してた筈よね。
商学部って経営を学ぶ為の学部じゃないの?



「学べる訳がない」

「じゃあどうやって資格を取得したの!?」


一級建築士になるのは、かなり難しいと聞いたことがある。
そもそも国家資格だろうから実務研修だっているはず。


「俺は建築を専門学校で学んだ」

「専門学校?」

「大学時代から夜学に通って、卒業後に二級建築士の資格を取った。それから四年間、親父の事務所で実務を経験した後で一級建築士の試験に合格して資格を取得したんだ」