そこから差し込んでくる光のせいで、昼間はライトなんて点けなくてもいいように設計されてる。


「入るぞ」


前から声がして目を向けた。
ステンドグラスの入ったドアを開くと、木のいい香りが鼻をくすぐり、ふわっと暖かい風を感じる。


ドアをくぐり抜けていく一ノ瀬圭太の背中を追って前に出た。
どんな内装なのかが気になり過ぎて、何度も夢見てきたことが現実化しようとしてる。



(いよいよだ…)


中に入った彼が前を避けた。
その姿をちらっと眺め、視線を先に向けたらーー




「わぁ……」


思わず声が溢れた。
ふんだんに使われた木の温もりと明るさに圧倒されてしまう。


部屋の天井は全部木で出来ていた。
建設中に見た大きな梁が横たわり、まるでロッジ風な雰囲気に仕上がってる。



「素敵…」


私の思い描いてたイメージに似てる。
カントリー調の家に憧れてたから、これはそれにかなり近い。



「気に入ったか?」


ぼうっと眺めてる私に声をかけてきた人を見返し、悪態を吐くのも忘れて喋った。


「すっごく素敵!ホントに夢みたいな感じ!」


興奮したように前に進んだ。

リビングとダイニングが一体化した部屋の中には、庭から見えた四枚の縦長窓から日が差し込むようになってる。

窓の側には煉瓦で作られた暖炉置場があり、黒くて長い煙突が天井に向かって伸びてた。