イジワルな彼と夢みたいな恋を?

あのー、それって付け足しにしか聞こえませんけど。


「普段は見えない脚が見えてるのが更にいい!」


目線がエロオヤジだ。
いや、言い過ぎか。


「意外にスマートで引き締まってるよね。圭君もそう思うだろう?」


えっ、そこで話を振るのもどうかと思うけどぉ!?


「はぁ…そうですね」


あんたもノラないー!!


(もういいや。一々相手にすんの止そう)


「どうぞ。一杯」


順番からしてやはり新社長からよね…と思った。
でも、一ノ瀬圭太の目線は、自分の右側にいる御老人に注がれる。



(…誰。このじーちゃん)


ちらっと彼を見ると眼差しがじーちゃんを先に…と動く。


「どうぞ」


何だかわからないけど、その人に酒口を向けた。


「ありがとう。お嬢さん」


(お嬢さん?)


一見頑固そうに見えたじーちゃんは、口を開くとフランクな人だった。
聞き慣れない言葉に固まる私を見て、一ノ瀬圭太が苦笑する。

それを睨み付けながら、(あんたもどうぞ!)という気持ちで清酒の瓶を傾けた。




「会長」


後ろから男性の声がして振り返った。

いつぞやの「時間がありません」と言った人じゃないの…と思い、同時に「会長って誰?」と前を向いた。



「何だ」


一ノ瀬圭太の右側から声がする。
まさかね…と思いながら、目線を向けてみたら。



(ゲッ!)