イジワルな彼と夢みたいな恋を?

苦労ばかりの中学三年間だった。

始まりが楽しかっただけに、彼が居なくなったことがいつまでも大きく胸に響いた。

だけどそれは彼のことを好きだったからで、あの肝試しの夜のことを、ずっと後悔し続けてきたからだ。


素直になれば良かったと思った。

「ありがとう」と、最後に言えば良かった。

二学期も一緒に学級委員をやろうね…って。

大変だけど楽しいから…って。


何も言えないまま年月だけが過ぎていった。
あの頃の意地っ張りな自分のままで、垣根を作って閉じこもった。


何も見ようとしなかった。
与えられた人材の良さにも気づかず、何年も一人で孤立し続けたーー。



「私……」


今なら言えると思う。
あの頃と同じく、この家が出来上がるまでの日々が楽しかった…と。


思いきって顔を見上げれば、一ノ瀬圭太は呆気に取られたような顔つきをしていて、無理も無いよね…と思いながらも次の言葉を発した。


「一ノ瀬君に再会できて良かったと思う。私なりにいろいろと成長できたから」


私だけじゃない。
ゆとりちゃん達も主任も変わっていった。


「一人じゃダメだな…ってつくづく思い知らされた。一人で突っ走っても息が切れて苦しいばかりだった。
もっと早く、皆に助けて貰えば良かった。今だけじゃなくて、学生時代からもずっと……」