ほんの数時間。たかが数時間。
されど数時間。
長く短い時間は私にはとても一生のようで、永遠に続くかとさえ思えた。
ようやく彼が帰ってきた頃には、実に5時間が経過。
この日はいつもより帰りが遅かった。
「シュウ……!」
駆け寄る私にシュウは、不思議そうに首を傾げる。
どうやら耳にしたイヤホンでは私の様子は拾えなかったらしく、普段通りそのもの。
「随分と慌てているね。何かあった?」
言っているシュウの額に手を当てて、まずは体調確認。
熱は……ない。
脈も確認。うん、正常だ。
「腹痛は?喉は痛くないですか?体がだるかったり、どこか痛いところは?」
「ちょ、ちょっと待って。一体何が……」
矢継ぎ早に質問をぶつける私に、普段は温和なシュウもこれにはストップをかける。


