魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜




聴いていて子守唄を思わせる、今にも眠くなりそうな優しい音。


ガラスの向こう側では、細々とした小物が上下して、金のハープと、同色の女神がその場で右に左にゆったりと向きを変えている。


危うく寝かけそうになるけど……



いや、でも寝ない!


がばり、起き上がってこれからやる事を整理する。


ひとまず、このままだと本当にやることがないから、早めに掃除でもして残りの時間は読書に回そうか。


いやいや、午後に食べるおやつの試作品でも作ってみよう。


うん、それがいい。



思い立ったが吉日と、箒とちりとりを用意してくる。


部屋の端から端まで丹念に。


掃いては詰めて、掃いては詰めて、鼻歌交じりに同じ作業を繰り返す。


今日はとても気分がいい。


どうしてだろうな、と思いつつゴミをいったん捨てに行く。