何かの先回りでもしているんですか。
それとも。
それが貴方の本音なんですか。
ああ、だめだ。
また考えても仕方ない事ばかり。
頭を振って必死に追い出した。
「あのっ……今日はもうお出かけしなくてもいいんですか?」
この部屋には時計というものがないから、正確な時間は分からないけれど、自分がどれだけ長く寝ていたかは感覚で分かる。
恐らくは、24時間くらい軽く経っているだろう。
「いいんだよ。今はアリサが先決。……っと、ああ、そうだ」
私の問いに柔らかく微笑んで答えると、思い出したように私から一度離れた。
何だろうか。
不思議に思ってシュウの後を目で追うと、扉を開けて出て行った。
どうやら近くの部屋にでも入ったらしい。
この部屋は家の中に設けられた一端の部屋だということは遠に知っているため、想像するのは容易だった。


