魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜




暗示をかけられたが如く、すっと私に入り込む。


頭に添えられ、髪を梳いていく手。


私は——知ってる、これを。


そう思うと、唇が無意識に開いて言葉を発していた。



「夢……見た。子供が——小さな女の子が、探し物をしている、夢。
一緒に探そうとして、手を差し伸べたら、簡単に振り払われた」


どうして私は今、こんな話をしているのだろう。


別の、夢ではどう…——


「誰かがもう一人の手を引いて歩いているの。もう一人の誰かは嫌がっていたけど、最後は一緒に歩いていくの。一人が怖いと、手を絶対に離さなくて。
あの2人はどこに——」


「アリサ」


“どこに行くんだろう”


投げかけようとした疑問は、重く力強い声で遮られた。


言わんとすることをやり込められた事も、遮られた言葉、思考は前にもあったけど。


今回のは少し違っていた。