話の内容は重みがあるけれど、問題はアサヒにも同じ質問をしたということだ。
どれだけアサヒの心に負荷をかけたのだろう。
重荷をこれ以上背負わせたくないと思っているのに、うまくいかないワケ。
この人にも落ち度や責任はあるはずだ。
彼の言いたいことははっきりしている。
つまり、この逃亡生活をこれからも続けていてもいいのかということだ。
隠れて暮らして、外にも出られない。
居候の身で何を言う、と自分でも思うけれど、言わずにはいられなかった。
「別にどうも」
随分と挑戦的な言い方になってしまった。
結果的に彼を、シロウさんを怒らせることになったことに気づかないほど馬鹿ではない。
あの日のように。
そう、初めて出会った時のように辛辣に。


