魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜




すると、突然真剣な顔つきになって見据えてきたから、こちらも真面目に聞く体制をとった。



「お前、現状をどう思う?」


「え?」


よく意味がわからない。


聞き返すと、深くため息をついた彼は言い方を変えてもう一度聞いてきた。


「このままでいいのかって聞いてんだよ」


その言葉で、「ああ…」と言いたいことを理解した。


雰囲気で悟ったんだろう、彼は意外そうに言う。



「察しがいいな。アサヒの時はもっと時間がかかったぞ」


「……アサヒにも聞いたんですか」



途端、怒気を孕んだ口調で責めるように鋭い視線を向ければ、ただ黙って彼は頷く。


こういう時にこの対応。


慣れたとはいえ、苛立ちが募る。