魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜






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「お前に話がある」


ある日、店仕舞いをした後にシロウさんに呼び出された。


ここ最近、彼は様子がおかしかった。



言おうとしたことを途中で飲み込んだり、呼び止められたかと思えば「なんでもない」と首を振られる。


正直、不審すぎる行動が目立っていたからかなり不快な気はしていた。


もちろん本人には言わないことだけども。



今度の話というのも、きっとそれらに関係することなんだろう。


なんとなく、そう思えてならなかった。




身の回りに溜まった仕事を片付けてから、呼び出された彼の自室へと赴く。


扉をコンコン、と2回ノックすると、「入れ」と声が返ってきて遠慮なく中に入った。