ああ、そうだ。
けれどその逆だと私は思う。
期待などしていない。
平たく言えば、好まれていない。
私のする、ある事が。
ではその“ある事”とは、なに?
ああ、だめだ。
考えればまた、目の前が真っ白。靄がかかったようになる。
ここでセーブがかかるという事は、私はそのある事を知っているという事になるのだろう。
囚われている私がなぜ、それを知っているのか、思い出すまいとするのかは些か疑問ではあるけど。
「だめだよ、アリサ」
そんな思考も瞼を覆う手の温もりに遮られて、一瞬で忘れ去った。
「それ以上はだめ。疲れてしまうからね」
どかした先に見えた彼の表情は穏やかで、先ほどの不安も窺えない。
「でも…」
「——アリサ」
彼は立ち上がると、私の手を引いてベッドに向かう。
そして。


