「どう?考えは変わった?」
「はは、ここまで言われたら何も言えないよ」
偽りを感じさせない微笑を浮かべて、アサヒの瞳は宙を仰ぐ。
何から話そうかと考えているようだ。
と、不意に私に視線を合わせてきた。
「うん、やっぱり最初から話そうか」
「お願いします」
その場に2人腰を下ろして、アサヒは静かに、けれど話しづらそうに重々しく口を開いた。
*
全部を話すのはきついな。
けどしっかり聞いてもらわないといけないから。
そうでないと、君に怒られてしまうからね。
大丈夫、それほど長くは語らないよ。すぐに終わる。
アリサはもうある程度思い出しているよね。
なら、あの出来事がいつかは覚えているはず。
あの日はいつもと同じように……


