たとえ難航していようと、それを探し当てるのが仕事の一環でもあるこの人が、なぜ私にばかり話を聞きに来るのだろう。
少し、宙を仰いで考えるそぶりを見せた刑事さんは視線を私に戻して答えた。
「君たち姉弟に興味がありまして。個人的にね」
「け、刑事さん…っ?」
戸惑う両親を余所に、本人はこれしかないと言わんばかりの表情で実に真剣味を帯びていた。
嘘を言っているわけではなさそうだ。
となれば、私の言葉に実に誠実に返してくる人もいたものだ。
まあ、危険を感じずにいられないのは最もなことだけど。
ここにいる親という人たちよりはマシかもれない。
「興味を持ってどうするんですか?」
「別に、どうもしませんよ。君の話が捜査の材料になるのも事実。
個人的な興味よりも、そちらを優先させましょう」


