魅惑のプリズナー〜私は貴方に囚われた〜






今日もまた、やって来る。


私の大嫌いな——いいえ、どうでもいい人たちが。



「いい加減話してくださいよ」


うるさい。


「こちらも仕事でしてねぇ」


だからなに。


「分かることをほんの少しでいいんですよ」


いい加減にしてはこちらの台詞。


「一つくらいあるでしょう」


なら一つもないと言いたい。



尋問もどきのお話とやらが始まって早1時間。


うんざりしていた。


諦めの悪い刑事さんにも、別の問題を案じているのだろう心配そうな顔をしながら、それ以上止めることをしない親にも。



はあ、と一つため息を零す。



「刑事さんも暇なんですね。
こんな小娘の言葉を親身になって聞こうとして下さるなど、私にはよく分かりません。もしかして捜査は難航しているんですか?」