息を呑んで、次の反応を見守るとアサヒは、こくりと頷いた。
「そうだよ」
「……っ!」
唇を噛んで、必死に考える。
アサヒを弁護できる言葉を次から次へとひねり出すのに、いい考えは浮かばない。
震えが止まらない。
私を見て悟ったのだろう、アサヒは静かにこちらに歩み寄ってくる。
私は動かない。
「僕が、怖い?」
問いかけられた言葉に、逡巡する。
自分を急かすための数秒の沈黙ののち、ゆっくりと首を振った。
「怖く、ない……」
小さい。か細い。
これでは彼に、伝わらない。
不安を感じているのは私ではないのだ。
私がそれを取り除いてあげなければ。
決断した私は、今度こそはっきりと告げる。
「怖くないよ、アサヒ。私は全然、怖くないから」
だから…——


