シュウが、アサヒが。


……側にいてくれたからかもしれない。


ずっと、一緒に。



そうだ。なんて馬鹿なことを考えていたんだろう。


シュウは。


「アサヒは……私を、裏切らない」


絶対に。



何よりも私に優しい彼は、何よりも私を優先してくれる。


自分を犠牲にすることも厭わないほどに。


初めから分かり切っていたはずの答えなのに。




下を見た。


ここは3階だろうか、遠い地面が見える。


コンクリートで、頭から落ちたら命の危険もあるかもしれない。


アサヒのことを一身に考えていないまま、視線を落としていたら…——



もしかしたら、弱い私は最悪を考えていたかもしれない。


いや、もしかしたらではない。


おそらく、本当にここから落ちることを考えたに違いない。