差し出された小指に自身の小指を絡ませて、約束事を取り付ける。
それはすなわち、次もあるという意思表示に他ならない。
それが分かっているから私は、素直に応じるのだ。
「ふふっ」
「楽しそうだね」
漏れ出る声を抑えきれずに、自分の小指を見て笑うと、微笑を浮かべて彼は嬉しそう。
「そう見える?」
「そう見えるよ」
ああ、そうだ。
私にはこの人がいればいい。
アサヒがいれば、他に何もいらないの。
彼がいることのみが至上の喜び。
ああ、なんて幸せなんでしょう。幸福なんでしょう。
だから、ね。アサヒ。
あなただけはずっとずっと。
ずうっと側にいてね。
私から離れないで。


