地上に戻ってきた三人はまず仄矢に挨拶をする。


「第二十六警備隊、隊長、バニラです」


弓を持っていた子が真っ先に挨拶をしてきた。バニラアイスのような、クリーム色に近い色の髪を二つにして、上から先まで巻いている。


「第二十六警備隊、ベリィです」


続いて、ハキハキと明るい声で挨拶する。
肩より少し長いピンク色の髪が無造作に波打っていて、目はルビーのような赤色だった。


「第二十六警備隊、ロッキーです」


直立不動で言い切った。
真っ黒な髪には白いマダラ模様、そして茶色の目。戦闘の時から今まで険しい表情を崩さなかった。


「空操禁書討伐、ご苦労様です」


「ありがとうございます。もう一つも討伐したかったところですけど……一人遅い子がいて、隊形を崩さないようにしていたら間に合いませんでした」


「この隊の速度は改善の余地ありですねー」


「仕方ないだろう。武器が重いのだから。その代わり今回敵の足止めで活躍したぞ!全く、速度が気になるなら私を置いていけばいいんだ!」


憤慨するロッキーさんを茶化すように笑う二人。
そこで仄矢が咳払いし、三人は佇まいを直す。


「とにかくお疲れ様でした。討伐の後ですし、皆さんで休憩しましょう。私について来てください」


仄矢が踵を返し、迷うことなく足を進める。
ぼーっと見ていた私は、慌てて瞬きした後ついていった。