「お待たせ!」


「いえ、大丈夫です。結構早かったですね」


「服とかは適当に詰め込ませたから。あと、朝ご飯は外で食べる」


「わかりました」


まずは電車に乗って、次の駅で降りる。駅の近くに喫茶店があるから……。
あっでもこの時間じゃ開いてないかもしれない。仕方ない、コンビニで適当に買うか。


「青、コンビニでもいいかな?」


「お嬢様がいいのなら……」


コンビニで買うことに決まり、私たちは歩き出した。
私の家の近くはお店が少ない。少し歩くことになる。


早朝のコンビニは、私たち以外に来ている人がいなかった。店員さんは一人だけで、私たちが来たことに気付くとレジに戻った。


私はおにぎりと味噌汁とバナナを選ぶ。青は、食べるのに時間がかからないからとスティックバーを買っていた。


コンビニを出て、次はどこで食べるかが問題になった。


「向こうに公園があります。公園ならベンチがあるはずです」


「なるほど!ありがとう仄矢」


朝は冷えるから、味噌汁は温かくて安心する。
おにぎりはシンプルな塩むすびだ。バナナは朝のデザートと聞いてパッと思い付いたから選んだ。
食べ終えた後、温かいお茶を一口飲んだ。


栄養補給は充分。さあ、出発だ!


「仄矢、魔法で行けるんだよね?」


「はい。まず時計搭まで魔法で行きます。そこで階段を上り、魔法を使えば到着できます」


仄矢は目を瞑った。すると、辺りは光に包まれた。
次に目を開けた時には時計搭のすぐ側ということだ。