「ありがとうございました」


「まだ冥府は混乱している。それが落ち着けば冥府もまた協力しよう」


ハデス様とミレーさんが見送ってくれた。


「ありがとうございます。さて、いきましょうか」


仄矢が二人から二歩離れる。
出発となれば自然と仄矢の近くに集まった。


「次はどこに行くかわかりません。とにかく空操禁書がいるところにいきます。暑いかもしれないし、寒いかもしれない……心の準備はいいですか?」


みんな頷いた。
仄矢の手に光が集まり、手のひらほどの大きさになった光は、一瞬で膨れ上がった。


眩しすぎて、目を閉じても白く見える。私たちを包み込み、知らないところへ連れて行く……。