運命の本

来た道を戻り、門の前まで来た。


「どうする?中に入る?」


「このまま逃げ回るのは体力を消耗し過ぎてしまいます。中なら壁を盾に出来るでしょう。入りましょう」


周囲に敵はいないけど音はしている。中に入り、頑丈そうな鉄の扉を見つけた。
けど鍵はないらしく、思いの外ガードが緩かった。


「こうやって棚でバリケードを作りましょう」


青と仄矢と南天さんが少ない家具で作って行く。
部屋の安全を確認してからオルガノさんは傷の手当てを始めた。宝石の雨でできた傷も魔法の力で消えていく。


狭い部屋の中、息を潜める。防音はしっかりしているけど外の様子もわからない。


「外の音も聞こえないね」


「はい。もう少し魔力が回復すればレーダーが使えます。それで外の様子を探ります」


レーダーなんてのがあったんだ。天界の技術、侮れない。


「私の魔力も回復してる?」


「はい。もう少し待てばバリアを張れるようになるでしょう」


「それまでに攻撃を受けないといいね」


回復する前に攻撃を受けないか不安になった。
レーダーが使えるようになるまで、バリアが張れるまでこないで……!


「よし、ちょっと見てみますね……敵の数はかなり減っています。空操禁書は撤退して遠くに行ったようです」


空操禁書はいなくなったのか。よかった。空操禁書がいないというだけで心を締め付けるような不安が解ける。


正直言って、この状態で空操禁書ともう一度戦うのは厳しかった。