運命の本

「桃子さん、魔力がギリギリです。バリアの修復と強化は止めにしてください」


焦っていると、仄矢がとんでもない指示を出してきた。


「止めって……割れたら怪我するよ!?バリアを割る勢いの魔法だよ!当たったら重傷だよ!」


「もうすぐ魔力源です。見えてきたらバリアは割ってください」


何か考えがあるから言ってるんだ。でも、危険すぎる!
バキバキになってるのに、完全に割れない。けど、欠片がパラパラと降ってきた。


出来るだけ、魔力源の近くまで持って……!


宝石の雨の中を全速力で走り抜けようとする。
魔力源が見えてきた。あともう少し……。


「桃子さん、魔力源ぶっ叩きますよ!」


仄矢は剣を鞘に収め、叫んだ。髪を振り乱し、目を見開いた仄矢は拳を振り下ろそうとする。
地面を蹴り、白旗を持って振りかぶる。


「おらぁ!」


「えーい!」


微妙に距離が足りない!これじゃ掠れるだけだ!
仄矢の拳が先に届く。魔力源にヒビが入り、細かく広がった。


駄目だと思ったけど、白旗の魔法というものはそんなこと関係ないらしい。
光の筋が出来て、魔力源を容赦なく切りつけた。


欠片を四方に飛ばして壊れ、強い光を放出した。


目を瞑り、後退りする。
宝石の雨なんか気にしていられないほどの力だった。