「仄矢、どうしたの!?怪我した!?」


「いえ、大丈夫です。ただ、魔力の消耗は激しいです」


仄矢は駆け寄った私にそう答えた。
そして、青い何かを広げた。


「これで決めましょう。桃子さんはバリアを割ってください。私たちはミルフィさんが襲いかかってきたところを返り討ちです」


作戦が白い図で示されていた。仄矢は人指し指でつつき、説明する。


「桃子さんは、私たちの攻撃が当たるように祈ってください」


「わかった」


当たるように祈るなんて当たり前なのに、何でわざわざ言うんだろう。私は首を傾げた。
仄矢たちはバリアの前に集まる。


私は割れるバリアをイメージした。


「突撃ー!」


仄矢が剣を向けると同時に六角形の破片が飛び散った。


お願い、当たって!終わって!


もう傷付いてほしくないの!


「はあああっ!」


青い炎と重い空気を斬る剣、そして、白く輝く剣が立ち向かう。
黒く禍々しい魔力とぶつかる……!


目が開けられないほど眩しい光を発した。
とっさに腕で目を隠した。