「くっ!」


青の腕に粒子が当たった。ミルフィさんは、そこで動きが止まったところをすかさず攻撃する。
黒い線が青の体を貫いた。


苦しそうに呻ぐ声が聞こえる。お腹を押さえて座り込んだ。


「オレガノさん!」


「はい!」


バリアを張ったまま青の元に駆けつける。
オレガノさんは青を仰向けにさせ、呪文を唱えた。


「ありがとう……」


青は寄せていた眉の力を抜き、目をゆっくりと開けた。


「仄矢と南天さんが押されてる……」


仰ぎ見ながらそう言った。空中で激しい戦いを繰り広げている。
ミルフィさんは三六秒ごとに強力な攻撃を飛ばしていた。


紫、黒、赤の、長い布状の物が仄矢たちを囲もうとするのだ。
すぐに消えるけど、それは当たった建物を溶かすほどの威力だった。


「行かなければ……」


戦いを睨み、青が立ち上がった。


「待って」


オレガノさんが制止した。
仄矢と南天さんがこっちに来た。


目立った傷は無いけれど、体力の限界が来たのか、知らない間にダメージを受けたのか。
作戦の変更、の可能性もある。


バリアを強化し、仄矢たちが着地するのを待った。