「ごちそうさまでしたー」


さすがにそれはなかった。
仄矢と青以外パジャマだし、すぐ行動には移せないか。


部屋で服に着替える。
荷物をまとめた後、床に残していた白旗を握る。


あのおまじないを教えてくれた人は、何者なの?
あんなバリアを張る方法を知っているなんて、ただ者じゃない。


あの人にまた会えないかな?
名前は何だったっけ……すごく、珍しい名前だったと思う。聞いたとき驚いたもん。絶対に忘れられない名前のはず……駄目だ、思い出せない。


外に出ると仄矢が、行きましょう、と手招きした。


しっかりしなきゃ。
私は背筋を正し、一歩踏み出した。