砂利道を歩く。
林に沿ってるみたいだ。ちょっとした坂になっていて、向こうから誰かの声が聞こえる。


「即地獄行きに決まってる。なのに執行猶予だと……!?」


「まあまあ、だってあの子、生きるために盗むしかなかったのですよ。十分に反省していますし、食べ物に困らなくなった今、盗むものは何一つありません。」


死んだ人を裁く人たち?
閻魔様一人だと思ってたけど、二人いる。しかも見た目は若い女の人だ。


「何者!?まさか逃げようとしてるのか!?」


ばれた!?でも、お客さんということになってるしいいのかな?


足元に何かの破片が刺さる。
綺麗に私たちを取り囲んでいる。恐ろしくて足が震えた。


「あら、あなたたちは誰ですか?」


穏やかな声で聞かれた。


「異世界探検記という本を書いている者です。取材のためここに来ました」


「ああ~そういえばミルフィさんが言ってましたね。私は判官 天網(ほうがん あまみ)。以後、よろしくお願いね」


「私は一刀 氷裁智(いっとう ひたち)。死後、よろしくお願いします」


「あっ、私たちそろそろ戻らないと。本の完成、楽しみにしてますね~」


手を振った後、ここから離れていった。
冥府ってもっと怖い人がいっぱいいると思っていた。ミルフィさんや天網さんみたいな人もいるんだ……。


しばらく歩いていると、林の中に道があった。水色や赤色の粒が林の中で舞っていた。
これも魔法の何かかな?