な、何考えてるの。


平常心、平常心。


「………ど、うも」


変な声が出てしまった。


水乃さんに聞こえないよう、
小さく深呼吸。


私は人と距離を置くんだ。


「ふふっ。どういたしまして。」


そっけない私の返事に水乃さんは
花のように満面の笑みを見せてくれた。


…どうせこの子だって
私の事をいずれ気味悪がるはず。


私って人間不信かな?
と自嘲気味に心の中で笑う。


傷つきたくないから。


私は、冷たい人になる。


そう決めたじゃないか。


確か中2の頃だった。


クリスマスの日。


悲しくて。


みんなと違う自分が憎くて。


この街1番の大きい公園のブランコを漕ぎながら。


わぁっと声を上げて泣いた。


その時パッとどこかのクリスマスツリーが点灯して


歓声が上がってた。


きっと友達みんなで見に行ったのかな。


そこに、私はいない。


赤く腫れた目からさらに涙が流れた。


そんな時、ある本で
キャラを作って好かれようとした
女の子のお話を思い出した。

そして、思った。


私も、キャラを作ればいいじゃないか。


今更好かれようとしても幽霊が見える限り裏切られて悲しむだけ。


なら、逆に嫌われてしまえばいい。


そうすれば、惨めな気持ちにならない。

それは、とてもいい考えだと思った。