「……」


黙り込んで俯く私を見て、
一段と高らかに、さも愉快げに


由香里達は、笑う。


はぁ。こういう時は、暗く見えるためにも何も言わない。


黙っていれば、いつかは飽きるだろう。


私は、前みたいに泣いたりしない。


友情なんて、いらない。
友情なんて、作らない。


って言い聞かせる。


ーーーほら。


由香里達は笑いながら
私から離れる。


-------❁ ❁ ❁-------


「はい、席についてー」


しばらくすると、教室の扉が開き


担任の浅葱(あさぎ)先生と


………?


長身の男の子。


「転校生を紹介するぞー」


あぁ。転校生かぁ。


お〜!、と教室のどよめきを一瞥し、
彼は


「北海道から来ました。橘 誡(たちばな
かい)です。よろしくお願いします。」


と、無駄のない簡潔な自己紹介をした。


随分とキツそうな人だな。


パチパチと巻き起こる拍手を鬱陶しそうに顔を顰め転校生ーー橘君は先生の言葉より早く空いてる席……


私の隣へカバンを置いた。