そんなこんなで高校2年生になった。


歩いていた足を止め、溜息を1つ。


着いてしまった。学校という地獄にー。


学校は、嫌い。


孤立しているからではない。


嫌われてるのは仮面を被った私だから。


それよりーー。


最近、なぜが学校で頻繁に幽霊に出くわすから。


人が多い学校は、幽霊が現れにくい筈なのに。


特に1人でいる時とかによく出くわす。


1人だからまだ、マシか。


孤立しているせいで、見る確率も高くなってしまう。


まぁ、孤立したいから
私が仕向けてるんだけど。


お願い…今日こそ見たくない!


そんな気持ちを抱え、校舎に入る。



「おはよ〜」

「はよ〜ん」


ほのぼのとした会話に包まれる昇降口。


人が多い所は幽霊は現れにくいみたいだから…。


さりげなくグループで固まっている女子の少し後ろについていきながら教室へ。


ガラッ

教室の戸を開けるなり
スタスタと自分の席へ歩いていく。


「ねーえ?魔宮サーン」


不意に声を掛けられた。


び、びっくりした。


席に着いた私に嫌味ったらしい目を向け 話しかけてきたのは


クラスのリーダー的存在、
安藤 由香里(あんどう ゆかり)


と、後ろでニヤニヤして見つめてる
取り巻きさん達。


「何?」


いや、聞き返さなくてもわかるけど…


由香里はニィッと口の端を上げ、


「なんでいつも1人なの〜?かっわいそー!」


キャハハ、と笑い声を上げる由香里達。


……何が、面白いんだ。


私の性格からして根に持ちはしないけど
毎日楽しそうに喋ってるクラスメイトを羨ましいと思わない訳もない。