最後のナミダ〜ヤミからヒカリへ〜

「間宮っ!」


「っ…!?」


眩しい………。


瞼に熱を感じ、目を開けると。
今度は真っ暗でも、
暗黒の世界でもなく。


「っ!大丈夫か!?」


「はぁ…っ。はぁ…っ。た、橘……?」


夕焼けに染まった空と。


切羽詰まった顔で屋上に横になっている
私を見上げる橘の姿があった。


「え、あ……。」


わ、私…。


ぼんやりとしていた頭を、
必死に働かせる。


屋上で、寝ちゃったのかな…。


それで…


あれは、夢だったんだ……。


今でも、思い出すとゾクッとする。


……ところで今、何時なんだろう。


夕焼けの空が見える…って事は。


あーぁ。
やっちゃった……。
ぐっすり寝てたみたい。


きっと授業も終わったんだろう。


橘、も寝てたのかな?


だんだん頭が追いついてきた。


「………」


橘が、そっと私の目元を拭った。


「わっ…!?」


何……?


その指先は、微かだけど濡れていて。


それが、涙だと。


気づくのに時間がかかった。