最後のナミダ〜ヤミからヒカリへ〜

「ん、んぅ……。」


か、体が重い……。


ゆっくり目を開けると、
そこに広がったのは
暗黒。


なに、これ!?


「え………!?」

驚いてガバッと体を起こす。


屋上で寝てた筈なのに……。


じわじわと不安が押し寄せてくる。


「あ、れ…。橘……?い、嫌…!」


周りを見渡しても。
叫んでも。
走り回っても。


どこまでも広がる、
真っ暗な世界。


「あ、あぁ……。」


怖い、怖い!!


「誰かっ!誰かぁあっ!」


狂ったように私は辺りを走り回る。


それでも


私を嘲笑うかのように
一定として変わらない風景。


「はぁっ……はぁっ……!」


これは、夢?
これは、現実?


もう、何もわからない………。


蘇る、教室の幽霊。


いやっ!なんで今思い出すの!?


真っ暗な闇から、何かが出てきそうで。


なんでっ!なんで私がこんな思いしなきゃいけないの…!?


「……た、ちば、な…ッ」


何故か、今あいつの笑顔が浮かぶんだ。


助けてよ、橘。


「助けてぇ………っ!!」