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ハッ…ハッ…ハッ……


教室を飛び出した私は、
当てもなく走りながら真っ白になった頭を必死に冷やしていた。


まただーーー。


どうして私なの!?


何で私にはーーーーー!


幽霊が見えるの………ッ


悔しさと哀しさで視界が揺れる。


目頭がふっと熱くなり、
ハッと立ち止まる。


私が流さないと決めたモノが
溢れそうになって、


出る寸前でゴシゴシ制服の袖で目をこすった。


「ダメって、決めたじゃん………」


思わず
誰もいない廊下で、ポツリと呟く。



どれほどの時間が経っただろうか


キーンコーンカーンコーン


チャイムの音でハッと我に返る。


あ……お昼休み、終わっちゃった。


そんなに時間が経っていたのかぁ。


教室、戻らなきゃ。


タッと廊下を駆け出す。


もっと上手く、心を閉ざさなきゃ。


廊下を走りながら、そう誓った。


私のしている事に意味はあるのか?


でも、もう立ち止まれない。


もう、前の弱くて泣き虫な私に戻りたくない。



教室の中は、騒がしかった。


教室のドアの前にいる私の所まで
声が聞こえてくる。


騒がしいって事は
全力疾走して来た甲斐があって、
まだ先生は来てないみたい。


よし。


ガラッと音を立て入る。


その、瞬間ーーー。