少女が、目を開けると目の前に呪術師の姿はなくて、見覚えのある道でした。
早足でその道を、進んでいくと、いつもの村の入り口が見えました。
少女は、村の人に声をかけられても曖昧に返事をして、家まで走っていきました。扉を開けると、お母さんが晩御飯を準備する姿を見つけました。
少女は、一目散にその背中に飛びつきました。

「あら、帰ってきたのね」と出迎えてくれたお母さんは、優しく少女を抱きしめてくれました。

「今日は、どうしたの。そんなに慌てて帰ってきて」

「あのね、私いっぱいいっぱい冒険をしてきたの!」

少女は、その大きな目をキラキラとさせて話し始めました。
初めは、お母さんもキョトンとした顔でしたが、娘がとても興奮して楽しいそうに話すので、途中からうんうんと嬉しそうに話を聞きました。
それを、見ていた兄弟たちも集まってきて一緒に話を聞きました。
お話は、真夜中まで続きました。