カチリと、目覚まし時計を止めると天都まや(アマツマヤ)は目を開けた。

遮光カーテンのすき間から差し込んでいる朝の光に顔をしかめた後、躰を起こした。

「――何ちゅー夢や…」

また同じ夢を見てしまったことに、まやは息を吐いた。

「――何が、“必ず迎えに行くから”だ…」

バカバカしいとまやは心の中で呟くと、いつものように支度を始めた。

パジャマを脱いで、白のシャツと紺色の膝丈のプリーツスカートを身につけると黒のタイツを履いた。

肩までのストレートの黒髪を軽くくしでとかした後、ハーフアップにしてバレッタでとめた。

ナチュラルにメイクをし終えると、今度は朝食の用意を始めた。