僕は、独りだ。


孤独だ。


愛が欲しい。









愛、愛、愛……


愛して愛して愛して愛して愛して






「鈴夢さんっ、独りにしないでっ……ひっく」





溢れた感情を、彼女は優しく包んだ。


彼女の甘い香りが、鼻をくすぐる。



優しく、残酷な


君の愛情。



偽物でも、偽りでも


彼女が、僕を受け入れてくれるなら




それでいい





【僕は、誰なの?】


心のどこかで声がした。


さあ。



僕もよくわかんないや。




でも今は。


君のこの甘い香りに。


酔いしれていたいな。




そうすれば僕は。


こんな理不尽な世界のことを。




少しでも、愛せるようになるからさ。





「智悠くん、愛してるよ」



「僕もですよ。君を愛してます」





ねえ、お願いだから。


時間よ、止まれ。


君と僕以外の刻が、止まればいいのにな。



そうして、狂った暗闇の中で。


2人で、溺れたい。





「鈴夢さん、一緒に溺れましょう?」





そうして、君を。


一生、愛してあげる。


僕の世界に閉じ込めて。





君を、永遠に。



─────離さない。