でも、君の視線はいつも彼だった。
僕に向くことのない、君の心。
絶対、手に入れたい。
そう想って、僕は。
「鈴夢さん」
この狭く、閉ざされた空間に
君を監禁するしか、なかった。
彼女は、泣かなかった。
反論せず、ただ僕を怯えたように見ていた。
恐怖に揺れる君の瞳を見て、僕はかすかに興奮を覚えた。
ああ、今だけは。
君は僕だけを見てくれる。
それが嬉しくて、堪らなかった。
気になるが、好きに変わって。
好きが愛してるに変わるまで。
時間はかからなかった。
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