「――ごめん。」
「へっ?」

先を歩く彼の背中は泣いていた。

「榊さんを早く助けたかったけど、どうすればいいか分からなくて…。」

そんなこと考えてたんだ…。

「ありがと…さっき助けてくれた。嬉しかったよ。」

そう言って、やんわり微笑んだ。