それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

そういう貴族に限って、同じ爵位の中でもリーダー格のため、権力欲しさの貴族がいたとしても、自分の地位を落とされないことを考え、ドロドロした大人の戦いにはなかなか発展しない。



まあ、お姉様はそういうところに目をつけて脅していたらしいけど……。



「尚、カイラ・クラフィネイトの婚約、及び次期国王は確定事項とし、ファレリア様が戻って来た暁には、フィル様の仮の役割を解消。

ファレリア様にはライナの名を名乗っていただき、再びこの国で第一王女として活躍していただく思っております。」



口を挟む暇もないほど雄弁な語り口で、ことはもう終わりそうだった。



「以上が最初の内容だ。ひとまず多数決をとる。

がその前に、フィル様が復帰されたことについては、国から国民へ正式な発表があるまで内密にして頂きたい。再び命を狙われる可能性だってある。

口外すれば、貴族階級を落とすと共に、生涯地下独房とする。


それも含め、賛成の者は挙手を。」



ソラ先生が言うと、ここにいる人が生徒みたいで、内心笑ってしまいそうだ。



そう思って、気を紛らわす。



「では、4分の3以上の賛成を得て、今日この時を持って執行する。では次の議題です……」