「反乱が起きそうな貴族はほぼ全て、影で操りまくってた。もし私(ファレリア)に何かあっても、フィー(お前)には迷惑をかけたくないって口癖のように言いながらな。
俺はてっきり、妹のことが大切だから、戻って来て嬉しくて、以前に増して仕事をこなしているとしか思わなかったんだわ。
バカだよな。夫だの次期国王だの言われてるのに、大切な人のことすらわかってなかった。
こんな奴が国王って、大丈夫かよ……。」
吐き捨てるように自身に言った言葉。
けど、忙しいであろう仕事や勉強をこなしながら、例えユキナさんの報告ついでだとしても、記憶をなくした私でも会いに来て、嬉しそうな、優しい顔をしてくれていたあの人なら。
「きっと、カイラさんのことを信頼して、裏切ったんだと思います。」
「ど、どういう意味だ?」
信じられない。そんな口調で、一瞬動揺しながら聞いてきた。
「カイラさんが第一王子でいてくれるから、裏切っても国はなんとかしてくれると思ってる……みたいな?
証拠にというわけじゃないんですけど、お姉様が甘えた、自らねだったのは、カイラさん以外いないはずですよね。」
咄嗟に口元を隠したカイラ兄様。やはり、何かしら心当たりがあるらしい。
「以前、言われたことがあるんです。『大切な人が幸せになってくれるなら、自分のことは二の次にだってなることはありますからね。』と。もしあの言葉が偽りじゃないのなら、きっと何らしかの意図があって裏切っています。
例えば、今は悪魔側につくことによって誰か大切な人をを幸せにできる。とか。その大切な人は、兄様かもしれないし、私かもしれない。或いは、他の人かもしれない。」
そうであってほしい。そんなあわよくばの期待を膨らませていく私。けど、カイラさんはハッとした顔で、口元にあった手をバッと、目が隠れるように当てた。
俺はてっきり、妹のことが大切だから、戻って来て嬉しくて、以前に増して仕事をこなしているとしか思わなかったんだわ。
バカだよな。夫だの次期国王だの言われてるのに、大切な人のことすらわかってなかった。
こんな奴が国王って、大丈夫かよ……。」
吐き捨てるように自身に言った言葉。
けど、忙しいであろう仕事や勉強をこなしながら、例えユキナさんの報告ついでだとしても、記憶をなくした私でも会いに来て、嬉しそうな、優しい顔をしてくれていたあの人なら。
「きっと、カイラさんのことを信頼して、裏切ったんだと思います。」
「ど、どういう意味だ?」
信じられない。そんな口調で、一瞬動揺しながら聞いてきた。
「カイラさんが第一王子でいてくれるから、裏切っても国はなんとかしてくれると思ってる……みたいな?
証拠にというわけじゃないんですけど、お姉様が甘えた、自らねだったのは、カイラさん以外いないはずですよね。」
咄嗟に口元を隠したカイラ兄様。やはり、何かしら心当たりがあるらしい。
「以前、言われたことがあるんです。『大切な人が幸せになってくれるなら、自分のことは二の次にだってなることはありますからね。』と。もしあの言葉が偽りじゃないのなら、きっと何らしかの意図があって裏切っています。
例えば、今は悪魔側につくことによって誰か大切な人をを幸せにできる。とか。その大切な人は、兄様かもしれないし、私かもしれない。或いは、他の人かもしれない。」
そうであってほしい。そんなあわよくばの期待を膨らませていく私。けど、カイラさんはハッとした顔で、口元にあった手をバッと、目が隠れるように当てた。

