「先日行われた三か国会議に、悪魔が襲来して来たのは皆さんご存知のはずです。

その時に、我が国の第一王女ファレリア様が拉致され、現在安否はわかっていません。」



ざわつく会場内。本当は「裏切った」だけど、あの後届いたブランさんの文書と、公爵の中でも特に権限を持つアルフィエーリ、ソルツァート、アオレル、そして国王の力で隠蔽工作をした。



「そして二つ目、フィル・アス・クラフィネイト第二王女について。」



私は、悪魔から身を守るために死んだことになっていたという虚偽(こと)にして、半ばファレリア様が権力の行使(おど)して承認を得たとのこと。今ではそれさえも、笑い話にできない……。



「先日復帰された王女の婚約を発表します。相手は、アレクシア侯爵家長男。」



さすがにこれには、ざわつく……と思ったら、案外そうでもないらしい。



「ファレリアは、いなくなる前までずっと動いてた。」



なぜ。私がそう思っていると、小声で聞こえてきたのは兄様の声。