それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「けれど、その子は孤児だった。あの学園をゲキ以上で合格した子の素性。つまり過去が気になって、さらに術式をかけた。

そしたら、記憶が抜けている……思い出せないように何重にもに鍵をかけたようになっていた記憶があった。

そして、その鍵を、私は開けてしまった。」



なるほど……その時に……。私はそう理解したけど、話にはまだ続きがあった。



「開けたせいで、向き合わなくても良かったはずの今になってしまった。」



この部屋に響くのは、時計の音と、数秒の沈黙。



「それ……どういう意味ですか……。」



私が口を開くと、リリーさんは手の力を抜いて、ポツリポツリと話し始めた。



「徐々に精霊量が減って行った原因。それは、思い出せないはずの鍵を開けたことなの。

そのために、二度と目覚めるはずのなかった水神様が、徐々に目を覚醒(さ)ましていった。

そのせいで、あなたにはとても迷惑をかけているわ。」



以前、お姉さまに言われた病気。その原因が、リリーさん……。