それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

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「最上級術式、瞬間移動。」



扉を出た直後に私は、国王に会った正装のまま、アレクシア邸の自分の部屋に瞬間移動をした。



いかにも貴族のような部屋だけど、昔いた王宮の部屋とどこか似ていて、落ち着けない訳じゃない。そう思いながら、ベッドにダイブした。



「私、どうするべきですか?ファレリア様。」



横目で見た、机の上の写真。私がまだ孤児院にいた頃、ユキナさんがいて、ファレリア様もいたあの過去(とき)。



「コンコン」



「フィーネちゃん?居るわよね。」



ノックをしたのはリリーさんらしい。入るわよ。と言ってドアの開く音と足音が聞こえた。



「やっぱり。」



丁寧に扉を閉めると、こちらに向かって歩いてくる音がした。



「今日は国王様に呼ばれて居たはずです……が、もう話は終わったようですね。」



「……。」



枕に顔埋めて、寝たふりをしていた。