それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「ゲキが…叩いたの……。」



信じられないと言わんばかりだった。



叩いた本人も、揺らぐ視線でその右手を見つめ、一歩引いた。



「私はこれで、失礼いたします。」



冷静さに冷静さで蓋をしたような態度で、ゲキは王接間から出ていった。



硬直している。とも言えるフィーに、国王は言った。



「フィルよ。よく考えろ。

今までファレリアの何を見て来たんだ。目標にするにはいいだろう。

だが、目標(それ)ばかりに目がいって、大切なものを見失うな。」



それの何割が、フィーの耳に入っているかは定かではないが、これでトウロー自身も落ち着いていないのも事実だ。



「明後日、ファレリアとフィルの貴族会会議が行われる。明日には結論を出して、必ず参加しなさい。」



とりあえずそれ以上は望まないことにしよう。そんな具合に、この部屋に沈黙が流れた。



「失礼します。」



それに対してフィーネはぶっきらぼうにそう言って、王接間を後にした。






















「君は、何一つ間違ったことはしない人だった。君のあの祈りは、命を使うほどの祈りとは、一体なんだったんだ…。」