「ゲキが…叩いたの……。」
信じられないと言わんばかりだった。
叩いた本人も、揺らぐ視線でその右手を見つめ、一歩引いた。
「私はこれで、失礼いたします。」
冷静さに冷静さで蓋をしたような態度で、ゲキは王接間から出ていった。
硬直している。とも言えるフィーに、国王は言った。
「フィルよ。よく考えろ。
今までファレリアの何を見て来たんだ。目標にするにはいいだろう。
だが、目標(それ)ばかりに目がいって、大切なものを見失うな。」
それの何割が、フィーの耳に入っているかは定かではないが、これでトウロー自身も落ち着いていないのも事実だ。
「明後日、ファレリアとフィルの貴族会会議が行われる。明日には結論を出して、必ず参加しなさい。」
とりあえずそれ以上は望まないことにしよう。そんな具合に、この部屋に沈黙が流れた。
「失礼します。」
それに対してフィーネはぶっきらぼうにそう言って、王接間を後にした。
「君は、何一つ間違ったことはしない人だった。君のあの祈りは、命を使うほどの祈りとは、一体なんだったんだ…。」
信じられないと言わんばかりだった。
叩いた本人も、揺らぐ視線でその右手を見つめ、一歩引いた。
「私はこれで、失礼いたします。」
冷静さに冷静さで蓋をしたような態度で、ゲキは王接間から出ていった。
硬直している。とも言えるフィーに、国王は言った。
「フィルよ。よく考えろ。
今までファレリアの何を見て来たんだ。目標にするにはいいだろう。
だが、目標(それ)ばかりに目がいって、大切なものを見失うな。」
それの何割が、フィーの耳に入っているかは定かではないが、これでトウロー自身も落ち着いていないのも事実だ。
「明後日、ファレリアとフィルの貴族会会議が行われる。明日には結論を出して、必ず参加しなさい。」
とりあえずそれ以上は望まないことにしよう。そんな具合に、この部屋に沈黙が流れた。
「失礼します。」
それに対してフィーネはぶっきらぼうにそう言って、王接間を後にした。
「君は、何一つ間違ったことはしない人だった。君のあの祈りは、命を使うほどの祈りとは、一体なんだったんだ…。」

