それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「そんなこと…そんなことはわかっているよ!

でも、私が王女になって、ファレリア様みたいになれるとは限らないじゃない!!」



王接間ということさえ忘れて泣いていた。泣きながらに訴えていた。



「フィ、フィーちゃん…。」



ゲキは言い過ぎたと思ったが、何も言えなかった。



「だって私、フィーネ・アレクシアだよ。

でも、もうこの世にいないと言われたフィル様だってことが事実なのは誰よりもよくわかってるし、何をやってもお姉様よりも上をいっていたかもしれない。

でも、ファレリア様より上へいったものは勝ち負けがはっきりしているものだけで、人を率いる力とか、人を引き寄せるカリスマ性とか、そういったものは全てファレリア様の方が上だったんだよ!!」



泣き崩れたフィーネに近寄ろうとしたが、それをやめた。



今ここで助けたら、もう第二王女(フィル様)としての彼女はニ度と目覚めないと思ったからだ。


自分の愛する人に、重い責任を押し付けるようでいい気はしない。


だが、この国のためにはそれ以外方法(みち)はない。


「別に、ファレリア様のようになんて誰も求めていないよ。」



「でも王女だよ。お姉様のようになれないならもうそれは…。」






















パッシィーン!!!









この王接間に響き渡った頬を叩いた音。