それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「フィーちゃん、関係ないことじゃないんだよ。

俺の場合、事情は前以てファレリア様に聞いていたから、騙されたわけでもなければ、自分の意思で決めたことだ。

そして、ファレリア様不在の今、王女になるのは継承権第2位のフィーちゃんだよ。

国王はカイラだとしても、王女になる人の夫である以上。俺は知らぬ存ぜぬで通してはいけない。」



「それでも!!…私は王女になるなんて一言も「フィーちゃん。」



否定しようとしたフィーネをゲキが制した。



「ファレリア様不在の今、少なくともこの国がやっていけるとは思えない。

そしてそうなると、ファレリア様のような反逆者や、学園に来る前のフィーちゃんのように孤児が増える。

フィーちゃんは、そうなってもいいと?」



その棘のある言い方。



お姉様のように悪魔の味方をして、自分みたいに家族を失う悲しみを味わう人が増える?国が危険にさらされる?


自分のときように、誰もいてくれなければ生涯孤独の可能性だってある孤児が増える?


そんなことを考えた彼女を追い詰めるには、彼の言葉は十分過ぎた。