それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

第二王女とは名目だけで、実際忙しいのは、第一王女や王妃の仕事。ただ、真っ直ぐ見つめられてもそれをこなしきる自身がなかった。



「今までファレリア様が全てをこなして来たに等しい。いったい誰ができるというのですか。」



答えを求めなくても自身は、わかりきっていた。



「王家の血を引き、ほぼ全ての術式を使え、その類稀なる精霊量を有し、ファレリアよりも優秀だった過去を2度も持つ者なら、可能なはずだが。」



フィルとして王宮にいた頃、どんな術式を扱うにも自分が先で


フィーネとして学園の精戦祭りで戦った時も二度勝って


その眼差しは、期待と威圧が込められていた。



「ですが…。」



私にはできません。そう言おうとした時だった。



「コンコン。」


ノック音がした。


「何用だ？」


国王は冷静に対応していた。