「まさか…ファレリアがなぁ……。」



昨日の一件を国王であり父のトウローへ報告するべく、彼女は王接間へと来ていた。



「はい、悪魔(ヴィル)の味方になったことは明白かと。」



フィーネという孤児は、過去を思い出した時点で、ヴィーナス王国第二王女のフィルだ。


その為、傅く訳でもなく対等に話していた。



「そうか……。過ぎたことを悔やんでも仕方がない。今は、これからを考えねばならん。」



王座の肘掛の上の右手を、強く握っていた。



「国王様…。」



フィーネとしての役割はここまでだ。


けど、フィルとしてはここからだった。



「今は考えたい気持ちは山々だが、私情の為に国民を犠牲にはできない。やることは山ほどある。だがまあ、お前には主に三つ。

今後の国政・ウェルティフル学園、そして



新第一女王。」