作法とか、礼儀とか、気にする余裕なんてなかった。カイラ兄様も、同様らしい。



「ほんと、ありがとうございました。

では帰ろうか、義妹(いもうと)よ。」



その背中は、今までのチャラさが消えた、何かを静かに決意したようだった。



「二人とも」



絨毯に乗った直後、ブランさんに呼び止められて振り返ると



「絶対に無理をしたり、自分を責めてはいけないよ。」



心配そうな顔で言われて、それは動き始めた。



国に帰って簡単な報告をすると、やはり会議にかけられるとのことだった。



そして今日のことは、国中に知れ渡る事となった。